教育費の目安は、どこの数字を使えばいいのか——公的統計で「総額」を出す手順
文科省の統計で、幼稚園から大学までの総額を出す手順。
前の記事で、独立して9年目に初めて計算した話を書きました。いちばん大きく、いちばん見えていなかったのが教育費でした。
「では、その教育費の総額をどうやって出したのか」を、この記事に書きます。使ったのは、自分の家計簿ではなく国の統計です。自分の数字を持っていない段階でも、ここから始められます。
1. なぜ「月いくら」ではなく「総額」で出すのか
教育費は、毎月同じ金額が出ていく費用ではありません。塾に入る年、受験する年、大学に入る年に、塊で出ます。月の平均で見ていると、この塊が見えません。
私は8年間、月の感覚で回していました。総額を出したとき、初めて手が止まりました。先に総額を出して、それを残りの年数で割り戻す。この順番でないと、月にいくら残せばいいかが決まりません。
2. 使う数字(文部科学省の統計・2026年9月時点の最新)
出典は文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(2024年12月公表・2026年1月訂正版)です。保護者が1年間に支出した、子ども1人あたりの金額です。塾・習い事などの「学校外活動費」も含んでいます。
| 公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 幼稚園(年額) | 184,646円 | 347,338円 |
| 小学校(年額) | 366,599円 | 1,741,516円 |
| 中学校(年額) | 542,450円 | 1,560,359円 |
| 高校・全日制(年額) | 596,954円 | 1,179,261円 |
幼稚園3歳から高校3年までの15年間を足すと、こうなります。
| 進路 | 15年間の合計 |
|---|---|
| すべて公立 | 約614万円 |
| 幼稚園だけ私立、あとは公立 | 約665万円 |
| 幼稚園と高校が私立、小中は公立 | 約838万円 |
| すべて私立 | 約1,969万円 |
大学は別の統計です。
| 4年間の目安 | 内訳 | |
|---|---|---|
| 国立大学 | 約242万円 | 授業料535,800円×4年+入学料282,000円(文部科学省・標準額) |
| 私立大学(平均) | 約485万円 | 初年度1,477,339円+2年目以降(授業料959,205円+施設設備費165,271円)×3年(文部科学省・令和5年度調査) |
つまり、子ども1人が幼稚園から大学まで全部公立・国立でも約860万円、全部私立なら約2,450万円が、統計上の目安です。
3. この数字を「自分の場合」に直す
ここからが本題です。統計の数字は平均です。自分の場合は、次の2つで変わります。
① 人数と、進路の組み合わせ 子どもが複数いれば、上の表を人数分足します。私は4人なので、すべて公立でも15年分だけで2,400万円を超えます。
② 「学校外活動費」を、平均のままにしない 表の中で、いちばん平均から外れやすいのがここです。公立小学校の学校外活動費は年25.6万円が平均ですが、大手塾に通って受験する年は、この何倍にもなります。私の総額(約6,900万円)が統計の目安より大きいのは、主にここです。塾と受験の比重が、平均よりかなり大きい。【要確認】
逆に、習い事をほとんどしない家庭なら、平均より小さくなります。平均を使うのは「自分の数字を持っていない項目だけ」にして、分かっている項目は実額に置き換えてください。
4. シミュレーターに入れるときの手順
- 子ども1人ずつ、いまの学年から大学卒業までの「残りの年数」を数える
- 進路ごとに、上の表の年額を残り年数分だけ足す(分からなければ「公立」で仮置き)
- 塾・受験・習い事で、実額が分かっている年はその数字に置き換える
- 全員分を足す。これが「これから出ていく教育費の総額」
- シミュレーターの「教育費」にその総額を入れる
正解の金額はありません。「自分の数字を持っていない項目に、何の数字を置いたか」を自分で説明できる状態にすることが目的です。そこまでできれば、あとで実額が分かったときに、その項目だけ差し替えればいい。
数字の出典(取得日 2026-09-12):文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果のポイント」/文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」/文部科学省「国立大学の授業料標準額」。金額は統計の平均値であり、個別の学校の学費ではありません。